エドランドフレーム
エドランドフレームと偶然！！
偶然というものは本当に不思議なもので、チョッパー、リジッドフレームをキーワードでカスタムをする「Body Kleaner」では、ここ最近 毎日のようにマニアックなお客様達と、このレプリカフレームはどうのこうの、パウコはどうの、サンティーはこうの、やれワンオフフレームだのと、雑談していたのですが、僕が一番衝撃を受けたのがスウェーデン製フレーム「エドランドフレーム」だったのです。
鉄の材料のなかでは最も高級素材とされるスウェーデン鋼を用いて製作されおり、強靭でありながら独特のしなやかさを併せ持つ特性はハーレーのリジッドフレームとしてはまさに究極の理想と言え、今から20年程前に某ハーレー専門雑誌で紹介され 鋳物ラグの質感、スポット溶接の数と大きさ、美しい溶接ビード、たった一枚の小さな写真でしたが、僕の中の悪魔のセンサーがビンビン反応して、いつも興味を持っていました。
そんな矢先にマニアックパーツよろしく、埼玉県杉戸の「ジャンク・モーター」林さんからの電話…。
ところで、「エドランドフレーム」とは何か？
せっかくの機会ですから、かるくエドランドフレームの歴史の一部に触れておく事にします。
スウェーデンで先祖代々鍛冶工業を営む一族に生まれたエドランド兄弟が1990年代初頭にエドランド ブラザーズ社を設立。カスタムハーレー界の巨匠パット・ケネディーからスウェーデン鋼を用いた完璧な オールドレプリカフレームを依頼され、技法、材質、精度を徹底的に拘って製作されました。
何故パットがスウェーデン鋼に拘ったのか？
それはスウェーデン鋼が世界の鉄鋼材料の中で一番良質だと知っていたからです。
1940年代、第二次世界大戦中という時代背景のもとアメリカは軍需産業に必要な良質な鉄鉱石を採掘していました。これがメサビ鉄山で知られるU.Sスチールです。この当時U.S スチールは世界最良鉄鋼素材と言われ、1940年代のハーレーのフレームは別物だ!!と純正リジッドフレームマニアの間ではよく語られる有名なお話です。
1990年代、そのU.Sスチールは世界の鉄鋼素材ランク では2位。③位はイギリスのブリティッシュスチール。我が日本が誇る高級素材思考のJFEスチールはなんと5位以下。鉄鋼材料は鉄鉱石が命。極寒の地で採掘されるスウェーデンの鉄鉱石を銑鉄したスウェーデンスチールはもちろん堂々の第1位でございます。
当時の鉄鋼材料は銑鉄（高炉や電気炉などで 鉄鉱石を還元して取り出した鉄のこと）であり鉄鋼素材は良質でした。しかし近年の鉄鋼材料は環境問題や循環型社会の3R（リデュース、リユース、リサイクル）などによってリサイクルスチール（鉄スクラップを原料とした鋼は不純物の量が多いため、鉄鉱石から生産された鋼鉄よりは品質が劣る）やブレンドスチール（銑鉄とリサイクルの混合）が主流のため当時の素材には敵いません。メイドイン台湾のV-TWINのレプリカフレームは論外でございます。
その最高級鉄のスウェーデン鋼を使用し、伝統の製法と最良の技法にこだわり、そして最高な製品精度によって忠実に再現された究極のH-Dオールド・リプレイスメント・フレームが「エドランドフレーム」です。
現代、過去、未来においてもこれ以上 贅沢な造りのスチール製リジッドフレームは存在しないでしょう。チョッパーマニアの間では「キラーフレーム」と崇められ今日も謎のベールと共に語り継がれています。
何故、謎のベールに覆われているのか？
それはたったの数年間だけしかエドランドブラザーズ社は世の中に存在しなかったからです。
エドランドの兄がメンタル的な部分がネガであったため、酒と女に溺れそしてドラッグに逃げ業界をドロ ップアウト。その後、エドランドの弟が精巧なフレーム冶具をオランダのVGモーターサイクルプロダクツに譲渡し、生産を再開しました。
クオリティーを落として製作されたVGフレーム（フレーム冶具 はエドランド製）ですら世界のチョッパービルダー達から高い評価を得ていました。ユーロプロダクツ推進委員会会長の川崎バッドランド桑井さんも自社ブログでVGフレームを大絶賛していました。
しかしこのVGモーターサイクルも経営状況が苦しく2008年に倒産。伝統且つ本物のオールド・リプレイスメント・フレームの最後の砦を失ってしまいました。以来パット・ケネディーが創造したスウェーデ ン製「エドランドフレーム」ことキラーフレームは現在、世界中でプレミアが付いております。
1990年代 パットケネディーによって世界のチョッパーマニア達が注目したスウェーデン製H-D純正レプリカフレームの「エドランドフレーム」。伝統的な鋳物の技法を忠実にこだわり、スウェーデン鋼の鋳物ラグとチューブで純正フレームを超えた強度、しなやかさ、製品精度、品質、そしてスカンジナビア職人のスピリット、そのすべてを含んだユーロプロダクツの象徴とも言える究極の逸品。近日入荷！！
Body Kleanerに出入りするチョッパーマニア達よ！！震えて待てっ！！
